【働き方改革推進支援助成金】採用ページの作成・改修も助成対象に
【働き方改革推進支援助成金】採用ページの作成・改修も助成対象に
「求人を出しても、そもそも応募が来ない」
「自社のホームページが古いままで、若い方に選んでもらえない」
「採用ページを作り直したいけれど、費用をかける余裕がない」
労働者を雇っている事業主様から、こうしたお声をいただく機会が増えています。
人材の確保が難しくなるなかで、自社の魅力をきちんと伝える「採用ページ」の重要性は年々高まっています。
実は、この採用ページの作成・改修にかかった費用が、働き方改革推進支援助成金の助成対象になる場合があることをご存じでしょうか。
本記事では、採用ページの費用を助成対象とする際の考え方、対象経費の整理のしかた、選択できる成果目標、そして令和8年度から必要になる書類について、要点を整理してお伝えします。
採用ページの費用が「改善事業」の対象になります
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)では、成果目標の達成に向けて実施する「改善事業」の費用が助成対象となります。
改善事業には、研修やコンサルティング、就業規則の作成・変更、労務管理用ソフトウェアの導入などが並びますが、そのなかの一つに「人材確保に向けた取組」があります。
この「人材確保に向けた取組」として、次のような費用が対象になり得ます。
- 求人広告(求人誌・求人サイト等)の掲載費用
- 求人パンフレット・会社案内などの作成費用
- 人材採用に向けたホームページの作成・変更費用
- 採用説明会の開催に要する費用
つまり、採用専用ページの新設や、既存の採用ページの内容強化にかかった制作費も、要件を満たせば助成の対象として整理できる可能性があるということです。
支給申請の際には、掲載した求人誌等の写しや、採用説明会の様子を撮影した写真など、取組の実施を確認できる資料の提出が求められます。
制作会社とのやり取りの記録や、公開後の画面の保存もあわせて準備しておくと安心です
★申請にあたってのご注意★ 対象は「採用に係る部分」に限られます
ここが最も誤解の多いところです。
助成の対象となるのは、あくまで人材確保に向けた取組に係る費用に限られます。
ホームページ全体のリニューアル費用を、そのまま丸ごと申請することはできません。
たとえば、次のように整理できるケースを考えてみます。
| 区分 | 金額 | 助成対象 |
| ホームページ全体の改修費 | 100万円 | — |
| うち、採用ページの作成・強化に 要した部分 |
60万円 | ○ |
| うち、会社案内・サービス紹介など 採用以外の部分 |
40万円 | × |
この場合、採用ページに要した60万円を対象経費として申請できる可能性があります。
ポイント
見積書や請求書が「ホームページ改修一式 100万円」といった一括表記になっていると、採用部分の切り分けができず、対象経費として認められないおそれがあります。
制作会社に依頼する段階で、採用ページに係る作業と費用を明細として分けて記載してもらうことが大切です。
ページ数や工数の内訳がわかる資料があると、より説明がしやすくなります。
助成額のイメージ
補助率は、原則として対象経費の3/4です。
さらに、常時使用する労働者数が30人以下の中小企業事業主は、補助率が4/5となります。
補助率4/5が適用される場合、先ほどの例では次のようになります。
60万円 × 4/5 = 48万円
対象経費60万円に対して、48万円の助成が見込まれる計算です。
なお、この助成金は成果目標ごとに上限額が定められており、複数の成果目標を達成した場合は上限額が合算されます。
採用ページの費用が比較的大きくなる場合は、どの成果目標を、いくつ設定するかが受給額を左右します。
計画の段階でご相談ください。
あわせて選択したい成果目標
採用ページの強化と相性がよいのが、次の2つの成果目標です。
いずれも上限額は25万円で、2つとも達成した場合は合算されます。
年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入(上限25万円)
労使協定を結び、年次有給休暇のうち5日を超える部分について、あらかじめ取得日を割り振る制度を新たに導入するものです。
就業規則の改定と労使協定の締結が必要になります。
繁忙期を避けて計画的に休みを設定できるため、「休みが取りやすい職場」であることを、求人票や採用ページで具体的に打ち出せるようになります。
時間単位の年次有給休暇制度と特別休暇の新規導入(上限25万円)
時間単位で年次有給休暇を取得できる規定を新たに設けたうえで、特別休暇(ボランティア休暇、病気休暇、不妊治療休暇など)のいずれかを新たに導入するものです。
「1時間だけ抜けて子どもの学校行事に行ける」「通院のために半日休まなくてよい」といった働き方は、求職者にとって非常に伝わりやすい魅力です。
制度を整えたうえで採用ページに掲載することで、制度整備と採用強化を一体で進められる点が、このコースの大きな利点といえます。
令和8年度からのご注意 ― 年次有給休暇管理簿の整備・提出
令和8年度からは、申請にあたって年次有給休暇管理簿の整備・提出が必要になります。
年次有給休暇管理簿は、労働者ごとに「時季」「日数」「基準日」を記録し、3年間保存することが義務づけられている書類です。
年5日の取得義務への対応状況を確認するための資料として、助成金の審査でも確認されることになります。
エクセル等での自己管理でも差し支えありませんが、申請の直前になって過去分をさかのぼって作成するのは大きな負担です。
日頃から勤怠システムや台帳で整備しておくことをおすすめします。
スケジュールにご注意ください
– 交付申請の期限は、令和8年11月30日(月)午後5時必着です
– この助成金は予算がなくなり次第、期限前でも受付終了となります
– 交付決定後に取組を実施し、費用を全額立て替えたうえで、後から支給される仕組みです
– 事業実施期間は交付決定日から当該年度の1月末までと定められています
採用ページの制作は、企画・原稿作成・撮影・公開まで数か月を要することも珍しくありません。
交付決定を受けてから着手する必要がありますので、逆算したスケジュールづくりが欠かせません。
休みの取りやすい職場づくりと、その魅力を伝える採用ページの整備。
この2つを同時に進められるのが、この助成金の一番の価値だと考えています。
スタッフの生産性向上、新しいスタッフの受入れ、そして定着につなげるためにも、ぜひ活用をご検討ください。
「うちのホームページの改修は対象になる?」「どの成果目標を選べばよい?」といった段階のご相談でも構いません。
要件確認から就業規則の整備、交付申請・支給申請まで、当事務所がトータルでサポートいたします。
ご不明な点は、FUJITA社労士事務所までお気軽にお問い合わせください。
出典:厚生労働省ホームページ 働き方改革推進支援助成金 パンフレット(令和8年度)
※本記事は令和8年度の制度内容に基づき作成しています。詳細な要件は必ず最新の交付要綱・支給要領をご確認ください。