職場における労働衛生基準が変わりました
「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令」が令和3年12月1日に公布され、職場における一般的な労働衛生基準が見直されました。この改正省令は一部の規定を除き、同日から施行することとされました。社会状況の変化に合わせすべての働く人々を視野に対応するもので、改正に伴って変更される点は以下のとおりです。
◆照度の作業区分を2区分とし、
基準を引き上げ(※令和4年12月1日施行)
現在の知見に基づいて事務作業の区分が変更され、基準が引き上げられました。事務作業における作業面の照度の作業区分は以下のように2区分とし、基準も以下のように引き上げました。
・一般的な事務作業(300ルクス以上)
・付随的な事務作業(150ルクス以上)
個々の事務作業に応じた適切な照度については、作業ごとにJISZ 9110などの基準を参照します。
◆便所の設備:新たに「独立個室型の便所」を法令で位置付け
便所を男性用と女性用に区別して設置するという原則は維持されますが、「独立個室型の便所」(男性用と女性用に区別しない四方を壁等で囲まれた一個の便房により構成される便所)を付加する場合の取扱い、少人数の作業場における例外と留意事項が以下のように示されました。なお、従来の設置基準を満たしている便所を設けている場合は変更の必要はありません。
・男性用と女性用の便所を設けた上で、独立個室型の便所を設けたときは、男性用及び女性用の便所の設置基準に一定数反映させる。
・少人数(同時に就業する労働者が常時10人以内)の作業場において、建物の構造の理由からやむを得ない場合などについては独立個室型の便所で足りるものとした。既存の男女別便所の廃止などは不可。
◆救急用具の内容:具体的な品目の規定を削除
作業場に備えるべき負傷者の手当に必要な救急用具・材料について、一律に備えなければならない具体的な品目の規定がなくなり、職場で発生することが想定される労働災害等に応じて、応急手当に必要なものを産業医等の意見、衛生委員会等での調査審議、検討等の結果等を踏まえ、備え付けることとしました。