助成金・補助金

産業雇用安定助成金の活用状況とりまとめ(厚生労働省)から

産業雇用安定助成金の活用状況とりまとめ(厚生労働省)から

厚生労働省は2月28日、「産業雇用安定助成金」の活用状況を公表しました。
産業雇用安定助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業主に対して、その出向に要した賃金や経費の一部を助成するもので、1年間で1万人以上の活用がありました。
厚生労働省は、制度創設の令和3年2月5日から1年が経過した翌年2月4日までに、事業主から都道府県労働局に提出のあった「産業雇用安定助成金出向実施計画届」を取りまとめ、取組みの事例と併せて紹介しています。

◆企業規模別では、中小企業から中小企業への出向が最も多い
助成金の活用を企業規模別に見ると、出向元が中小企業の割合は約62%、出向先が中小企業の割合は約58%になっています。中小企業から中小企業への出向が最多の4,456人(43%)で、大企業から大企業への出向が2,271人(22%)、中小企業から大企業への出向が1,992人(19%)、大企業から中小企業への出向が1,606人(15%)となっています。

◆産業別では、出向元は運輸業・郵便業、出向先は製造業が最も多い
産業別にみると、出向元の最多は運輸業・郵便業(4,103人)で、出向先の最多は製造業(2,085人)となっています。出向成立の最多は、製造業から製造業(1,271人)で、異業種への出向割合は62.9%でした。出向元は上位6業種で全体の約93%、出向先は上位6業種で全体の約77%を占めています。
コロナによる経済活動への影響を反映して、出向元は観光や交通が多く、出向先は物流を支える産業や非対面系の業務が多かったようです。

◆出向を実施した企業(出向元・出向先)や労働者の9割以上が好評価
助成金活用企業や出向労働者に対して実施したアンケート調査(令和3年8月厚生労働省調べ)によると、出向元企業では「労働意欲の維持・向上(63%)」「能力開発効果(59%)」、出向先企業では「自社従業員の業務負担軽減(75%)」「即戦力の確保(52%)、」出向労働者では「能力開発・キャリアアップ(57%)」「雇用の維持(46%)」を挙げていて、企業、労働者双方から高い評価を得ています。

 参照:厚生労働省「雇用を守る在籍型出向、活用広がる~産業雇用安定助成金の創設から1年、対象者が1万人を超えました~

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