雇用保険手続における事業主印の押印が廃止されています
◆大半の手続きは令和2年に押印を廃止済み
行政手続における押印は、手続きのオンライン化やテレワークの妨げになるとして、「規制改革実施計画」(令和2年7月17日閣議決定)により、恒久的な制度的対応として廃止されることとなりました。厚生労働省関係の手続きにおいても既に廃止済みとなっていましたが、雇用保険手続のうち、一部の手続きで押印が存続していました。
◆10月より事業主印の押印はすべて廃止
押印が存続していたのは、(1)あらかじめ登録された印影と照合する「事業所設置届」、「事業所各種変更届」等、また(2)労働者が行う手続きですが、事業主の証明により支給要件を満たすことを確認する必要がある「再就職手当支給申請書」、「就業促進定着手当支給申請書」等です。9月29日、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令」(厚生労働省令第124号)が発出され、10月1日よりこれらの手続きにおいても事業主印の押印はすべて廃止されました(金融機関に対する届出印等の一部を除く)。
◆書類の改ざん等のリスクはないか?
特に上記(2)の申請書等には、事業主として雇用期間中の賃金支払状況等を記載することとなるため、改正後の申請書等における改ざん等のリスクが気になるところです。
これについては、押印は廃止されたものの、改正後の申請書に「(注)記載内容について、記載した方に直接確認する場合があります。」との表示が行われ、改ざん等の抑止力を確保する対策が講じられています。