企業のメンタルヘルス対策の取組状況
◆長引くコロナ禍によるメンタルヘルスの問題
新型コロナの影響で、様々な面からメンタルヘルスの問題が取り沙汰されることが増えてきました。長引くコロナ禍により不安や孤独を感じる人も多いのではないでしょうか。働く人にとっては、労働環境がガラッと変化したことで、メンタルに影響を受けている人も少なくないようです。
◆小規模の事業所では約半数で対策がとられていない
厚生労働省が公表した令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の結果によれば、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、労働者数50人以上の事業所で94.4%(令和2年調査92.8%)、30~49人の事業所で70.7%(同69.1%)、10~29人の事業所で49.6%(同53.5%)となっています。
取組内容(複数回答)をみると、「ストレスチェックの実施」がその大半を占めており、実施が義務化されていない小規模の事業所ではメンタルヘルス対策がとられていない割合が約半数という結果になっています。
◆仕事や職業生活に関する強いストレスがある人は5割
また、同調査によれば、現在の仕事や職業生活に関して強い不安やストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は53.3%(令和2年調査54.2%)となっています。ストレスとなっていると感じるその内容(主なもの3つ以内)としては、「仕事の量」が43.2%で最も多く、「仕事の失敗、責任の発生等」(33.7%)、「仕事の質」(33.6%)、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」(25.7%)が続いています。
◆実効性のある対策の必要性
調査では、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%(令和2年調査9.2%)との結果も出ています。
実効性のあるメンタルヘルス対策を講じていくことは、企業の人材確保の面でも重要な課題であるといえるでしょう。