新入社員の離職率とコロナ後の人材確保
◆就職後3年以内の離職率は新規高卒者で約4割、新規大卒者で約3割
昨年初めからのコロナ禍により、採用活動についても例年と異なる方針をとってきた企業も多いところですが、長期的には人手不足が叫ばれるなか、新入社員の離職率については現在どのような状況なのでしょうか。
厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によれば、令和2年度における新規学卒就職者の離職率は、学歴別、卒業年別とも、例年に比べて低下し、新規学卒就職者(平成30年3月卒業者)の就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者で約4割(36.9%)、新規大卒就職者で約3割(31.2%)となっているそうです。離職率の高い業界としては、宿泊業・飲食サービス業(高卒61.1%、大卒51.5%)、生活関連サービス業・娯楽業 (高卒56.9%、大卒46.5%)、教育・学習支援業(高卒50.1%、大卒45.6%)、小売業(高卒47.8%、大卒37.4%)、医療、福祉(高卒46.2%、大卒38.6%)が挙げられています。
◆特に中小企業では離職率の低下に配慮が必要
同調査では、事業所規模が小さくなるほど離職率が高くなることも示されており、30人未満規模の事業所の離職率は、1,000人以上規模の事業所の離職率と比べて2倍ものひらきがあります。特に多くの中小企業においては、採用活動における人手確保の困難さを踏まえると、離職率の低下は重要なテーマといえます。